Near a disputed border. 空はいつもそこにある

先日、ふと何の気なしに箱にオンラインした時届いていた一通の招待状

『空を飛ばないか？』


空を飛ばなくなって久しかったのに

その時は妙にそそられた



─よう相棒

いい眺めだ

ここから見ればどの国も大して変わらん─


エスコン6のダウンロードコンテンツとして登場した異色の機体

アイマス戦闘機

誕生月のアイドルの機体がリリースされるという方式で

秋の終わりからスタートしたそのＤＬＣコンテンツで

俺は春の到来を心待ちにしながらも

アイマス戦闘機2番目にロールアウトした“雪ホーク”で空を飛び続けた


そして迎えた、その日

衝撃が俺を貫いた

4月のＤＬＣとして発表された“春香仕様ラプター”

それは、恐らく公式が一番最初にリリースした“黒春香”

機体の下半分が黒く塗られ、ペイントされたのは刀のエムブレム


どちらかに分類するのであれば、紛れもない“白春香”派だった俺は憤慨した

これが公式のやることか？！


その後、一人で勝手に不買運動を起こし

それまでの愛機“雪ホーク”の特殊兵装ＱＡＡＭを解禁し

春香仕様のラプターを執拗に追い回す“春香キラー”へと身を窶していた



─ここから境目が見えるか？

国境は俺たちに何をくれた？─






そんな、血で血を洗うような戦いに、次第に空虚さを感じていった俺は

いつしか羽をたたんでいた




─世界に境目なんて必要ないかもしれない

でも、無くすだけで変われるんだろうか？─



白もない 黒もない

ただ春香がいるだけ

みんながそう思えば、簡単なこと



─きっと、世界を変えるのは人を信じる力なんだろうな

信じあえば憎悪は生まれない

でも、それができないのも人だ


俺はまだ戦場にいる 国境の近くだ

確かめたいんだ 国境の意味を

そして、そこで生きる人間の意思を─






久々に飛んだ空はいいものだった

“翼を失った仲間”に加わるのは、まだ少し早かったのかもしれない




─知ってるか？エースは3つに分けられる


強さを求める奴

プライドに生きる奴

戦況を読める奴


この3つだ


あいつは…


あいつは確かにエースだった─